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川沿いの町で 三原遙子 著 四六判 上製本 272頁 定価1890円(本体1800円+税) ISBN978-4-902616-12-5 C0093 |
光彩を放つ作品集 「三原さんの目の詰んだ描写に接すると、ほつと息をつく気分になる。」 ――高井有一(芥川賞作家) 「文學界」同人雑誌評で好評を得た三篇を含む八篇を収録。 |
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「文学界」2005年1月号・同人雑誌評より 「川沿いの町で」は、稲荷の祠が斜め向かいにある小さな家に住む女を扱う。ただし、下町風の世界が展開されるわけではない。主人公は看護師で、三十八歳のとき、患者であった高校教師と結婚、この家を建てたが、夫は愛人をつくり出て行った。家の近くの川の堤に桜並木があり、その花見を明朝の出勤前にと約束して、夫を送り出した後、買い物ついでに堤へ足を延ばしたところ、夫が女といたのだ。そのあたりの叙述はさりげなく、確かである。そして、離婚を決心するのに、姑を訪ね、一緒に温泉で一泊するが、当の夫とは縁が切れながら、その母とは気持ちを通じ合わせる設定もいい。この女主人公は、自分がよく見えていて、そこから回りの人々にも心配りをする。いわゆる人情に厚いのとは違う、人柄が浮かんでくる。 ――松本 徹 |
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目次 清 子 リハビリテーション病院で 白 鳥 姉 妹 しのぶもぢずり 花野を行く 通 夜 川沿いの町で 一所懸命に生きる女たち 「川沿いの町で」に添へて 高井有一 |
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| 書評 記事 | |
「神奈川新聞」2008年(平成20年)4月27日 日曜日 読書 かながわの本 人生への温かな視線と励まし 同人誌「河」に掲載した作品の中から八編を選び一冊にまとめた短編小説集である。 表題作は、主人公の看護師が三十八歳のとき、患者であった四歳年下の高校教師と結婚して幸福を手に入れたものの、わずか五年で夫に愛人ができ離婚、しかし彼の母との交際は続く―そんな境遇の女性を描いた。 ほかに、一年遅れで高校を卒業した娘が、母の勧めでリハビリテーション病院のボランティアに参加し人生の活路を見いだしてゆく「リハビリテーション病院で」、二十二歳で農家に嫁いだが五日後夫が軍隊に招集されて戦死、その夫の幻影を、きれいな花野になぞらえて鎮魂の思いで表した「花野を行く」などが収録されている。 著者は後書きで、架空の人物たちを思い思いに生かすことは実に楽しいことだ、と述べる。どの作品にも、さまざまな人生の悩みを抱えた女性に対する、励ましともとれる作者の温かいまなざしが向けられている。 小説の舞台には、作者の故郷である浜名湖に近い土地が多く選ばれ、そこの風景やそこに暮らす人たちが懐かしい残像となって描き出され、読み手を引きつける。著者は一九五九年、国学院大文学部卒後、九七年まで東京都立高校に勤務。 |
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