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老女さらい 弓 透子 著 四六判 並製本 296頁 定価1575円(本体1500円+税) ISBN4-902616-03-3 C0093 |
認知症や介護の問題などを通して、家族のすがたをコミカルに描いた長篇小説。 「認知症老女の《にわか母親》になりすました主人公のやさしい執心を描いて、メルヘン仕立てともいえる精巧な物語である。一方、裏にひそむ宿縁をからめて、現実喪失の老女をめぐるさまざまな家族の姿を描いている。前むきの明るさを失わぬ行間のぬくもりと繊細さを評価したい。」 ――文芸評論家・大河内昭爾氏 推薦 |
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著者紹介 大阪市生まれ、小学校入学から高校卒業まで和歌山市で過ごす。 大阪大学法学部卒業。 作家。 「文學界」に「砂嵐」、「小説フェミナス」に「クリスマスの休暇」など、作品を転載される。 「メイン州のある町で」で第一回大阪女性文芸賞佳作受賞。 「インディアナの長い影」で第十三回神戸文学賞佳作受賞。 「ハドソン河の夕日」で第一一八回芥川賞候補、優秀作品として「文藝春秋」に転載される。 「季刊文科」に「ロックフェラーの館」など、数点の作品を発表。 著書に、『ハドソン河の夕日』『移植 トランスプランテーション』など。 |
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| 書評 記事 | |
週刊読書人 2006年3月10日(金) 認知症老女との関わりを一種の演劇として生きる介護者の快楽を描く ――松原新一 |
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神奈川新聞 2006年4月9日(日) かながわの本 認知症女性と模擬家族の夢 |
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読売新聞 2006年5月13日(土) 今日のノート 現代の寓話 渡辺謙さんが主演する映画「明日の記憶」は、若年アルツハイマーの物語だ。一家の大黒柱がそうなったとき、家族は、会社の同僚はと、身につまされる。 そんな中での救いは妻の様々な形での手助けで、夫婦とは何かを考えさせるストーリーにもなっている。ともすれば介護には暗いイメージがつきまとう。しかし、お年寄りの介護に、定年退職後の新しい生活の生きがいを見つけたとしたら。 高校の国語教師を60歳で退職した女性には、家庭がない。幼いころに父は戦病死し、母は35年前に事故で死亡した。その女性が日課にしている散歩の途中、一人の老女に会い、「お母ちゃん」と呼びかけられた。 弓透子さんの小説「老女さらい」(草場書房)は、そんな場面から始まる。80歳ぐらいの老女は認知症で自分を「マアちゃん」といい、戻る家もわからない。 独り暮らしの女性は、思わず老女を自宅に連れ帰り、食事や入浴、トイレの世話などに追われた。老女が幼児、女性が母親という奇妙な生活だ。遊ぶのはままごと、カルタ。老女はルールを理解できないが、女性は「介護できる幸せ」を感じる。 老女の持つ連絡先のメモが見つかり、警察に知らせて息子に2日で引き取られた。それでも、女性は逆転した母娘の生活が忘れられず老女を訪ねていく。 かつて芥川賞にノミネートされた経験もある弓さんは、この作品でメルヘンの世界から、認知症や介護を見た。それは高齢化社会の寓話なのか。 ――永井芳和 |
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